【フルハウス店内での展示のお知らせ(10/11 – 10/12)】
2024.10.08
小高にアーティストを招いて創作・発表を行うアーティスト・イン・レジデンス「群青小高2024」に参加されている中塚文菜さんにお声がけいただき、
フルハウスを展示場所のひとつに選んでいただきました。
アーティストインレジデンスみなみそうま「群青小高2024」滞在アーティストについて
https://www.city.minamisoma.lg.jp/portal/sections/61/6170/61702/2/26278.html
中塚文菜さんの公式サイト
https://moromoromoro.wixsite.com/mman
群青小高2024のInstagram
https://instagram.com/gunjo_odaka/
中塚文菜さんの作品は、今週末の
10月11日(金) 11:00-18:00
10月12日(土) 11:00-18:00
フルハウス店内での展示です。営業時間内で、自由にご覧いただけますので、お気軽にお立ち寄りください。
なお、13日(日)と14日(月)も、小高区内での展示があります。こちらは追って詳細お知らせします。
短い展示期間ではありますが、多くの方にお越しいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
以下、中塚さんの展示プランを拝見して、自分自身の「海」への思いを書いてみました。
◎
海の見える病院で生まれたんです。
病院は坂の上にあって、振り返ると瀬戸内海が見えて、その向こうには淡路島まで見えるところでした。
すぐ近くに祖母の暮らす団地があって、祖母は 若い頃に伴侶を亡くしたので、女手ひとつで母たちを育てました。
毎年おせち料理のほとんどを自分で作っていて、特に黒豆が絶品でした。
神戸の名物いかなごのくぎ煮を作るのも得意で、「今年も出来たから取りに来ぃな」 と電話がかかってくると、 母とバスに乗って祖母の団地まででかけて行きました。
すぐ近くに祖母の暮らす団地があって、祖母は
毎年おせち料理のほとんどを自分で作っていて、特に黒豆が絶品でした。
神戸の名物いかなごのくぎ煮を作るのも得意で、「今年も出来たから取りに来ぃな」
いかなごを抱えたまま、夕暮れ時の瀬戸内海を見渡すと、海は、いつも、
5歳のときに明石海峡大橋の工事がはじまりました。
11歳のときには、その目の前の海が震源となり、阪神・淡路大震災が起こりました。
1995年、1月17日、午前5時46分。
海が、変わってしまったと思いました。
それまで見ていた風景も変わり、海が海ではなくなってしまった。
少しずつ自分のなかから海が抜け落ちていきました。
高校生のときに、祖母が亡くなったんです。
修学旅行の直前で、もちろん旅行費とかも払ってたんだけど、もうぜんぜん行きたくないと思ったから職員室で「こんなことになったんで、修学旅行に行きたくないんですけど」と相談すると、それを聞いていた教科担当の教師が「でも、きみが修学旅行に行くことをお祖母さんも望んでいると思うよ」と言いました。
許せない、と思いました。
あなたに何が分かるんだ、と。
会ったこともない、知りもしない、いまの自分の気持ちも何も知らない、あなたに何が分かるのか、と。
結局、修学旅行には行きませんでした。
代わりに、その放課後、海まで足を伸ばしました。
海は、ただ黙って、自分と対峙してくれました。
砂にうずめても隠しきれぬ想いを海に投げることはしなかったけれど、
コンビニで買った使い捨てカメラで、目の前の海を撮りました。
高校を卒業してからの2年間、近所のローソンでバイトを始めて、使い捨てカメラを買って、垂水港まで歩き、海の写真を撮りつづけました。
海を見ると、いつもそんなことを思い出します。
もしよかったら、あなたの「海」のお話を、聞かせてください。